うみのなみだ

日常+小説ブログです。

小説

あなたの街の物語

kakuyomu.jpぎりぎりですけど、「あなたの街の物語」コンテスト - カクヨムに短編を投稿しました。 2400字は短いですね。

カクヨム更新

kakuyomu.jp 過去の短編小説を加筆修正してカクヨムにあげることにしました。いろいろごちゃまぜですが、まあ、足跡とおもって。元原稿はこのブログのどっかにあります。 50作もあるとは思わなかったので、短編ばっかりよく書いたな~という感じ。 だいたい5…

 ツイッター小説と文学フリマ

第14回 文学フリマあわせで、ツイッター小説の作品集を作ってもらいました。終わってから告知も何なんですが、今後も南洋文芸通信社さんで販売していただくので、機会が有れば是非ご覧ください。 (夏コミ、第15回文学フリマに参加予定とのことです) 2009年…

 君には嘘がないから、僕には追いつけない #4

「高山さま、申し訳ありません」 ごくさりげない減速で、車は停車した。「どうした」笑顔を見せた後、急に黙り込んでしまっていた彼女が剣呑に問う。 「はい、先に高山さまをお送りするつもりでしたが、誤って本家へ回ってしまいました」 痛恨の極みと言わん…

[http://d.hatena.ne.jp/yk_uminami/20100709/p1:title=山手線シリーズ] あとがき

思いつきで始めたけれど、完成できてよかったです。思った以上に時間がかかりましたけれど。。。改めて並べてみると、みごとに恋愛ものばかりになったなあ、というのが驚きでした。たぶんツイッター小説はなかなか二人以上の登場人物をだすのが難しいので、…

ツイッター小説 山手線連作 総集編

山手線 品川 大崎 五反田 目黒 恵比寿 渋谷 原宿 代々木 新宿 新大久保 高田馬場 目白 池袋 大塚 巣鴨 駒込 田端 西日暮里 日暮里 鶯谷 上野 御徒町 秋葉原 神田 東京 有楽町 新橋 浜松町 田町 #twnovel さよならを言いに行ったのにな。と反省しながら品川駅…

ツイッター小説 山手線連作 前半

#twnovel 寂しいの。呟いただけなのに世界が終わったような顔してる。いま手を握ってくれたら最高なのに、絶対にそんなことしてくれない。だから好き、だから嫌い。ネオンが明るくて馬鹿みたいに立ちつくしてる新宿東口の夜。「終電だから、じゃあ。おやすみ…

ツイッター小説 山手線連作の進捗

品川 大崎 五反田 目黒 恵比寿 渋谷 原宿 代々木 新宿 新大久保 高田馬場 目白 池袋 大塚 巣鴨 駒込 田端 西日暮里 日暮里 鶯谷 上野 御徒町 秋葉原 神田 東京 有楽町 新橋 浜松町 田町

Twitter 小説

ツイッター小説(#twnovel)を始めました。アカウントはhasmotoです。*1 140文字でも意外といろんな事ができるのが面白いですね。小説を毎日書く習慣付けができたらいいなと思います。 ツイッター小説の最初のとっかかりとして、山手線の駅名で連作してます…

 スターもしくはスター

去年のステージ前は緊張しなかった。ライトがついても、緞帳があがっても、心配していたのはたった一つのことで、自分の事なんか全然気にならなかった。だって、最初のコードは知っているから。何度も何度も弾いてきたリフは指が飽きるくらいになっているか…

 最吉さま

季節外れの初詣で「最吉」と書かれたおみくじをひいた。 「さいきち?」 「そう。よく引いたな」 振り返ると、神主姿の青年が笑っていた。私の手元など見えるはずもない位置で、はっきりとうなずいている。 「なんですか、これ」 「私が気に入った者だけが引…

目を閉じるたびに揺れて、また、とまる((フェリシモ文学賞「ゆれる」の落選作を改稿・改題))

目を開けるといつもと違う板張りの天井が見えた。実家の仏間だ。うたた寝していたほっぺたには畳のあとの感触があった。指先でなぞる。夕方までに消えてくれるだろうか。 ぼんやりと今日の予定を思い出す。六時までに着替えること。七時までにホテルのロビー…

 7.負けられん

交差点で早瀬に並んだ。「よ」とハンドルから片手をあげて、一瞬だけ顔を見る。つまらさなそうに「おはよ」と声が返ってくる。視線を信号機に戻して、青になる瞬間を待つ。対角の信号機が変わって、3、2、1。スタート。ペダルに掛けた足を思い切り踏み込…

 ワキワキ効果

もう春になるんじゃないかと思わせておいて、また雪が降った。積雪五センチ。全くたいしたことじゃないのに、急に出かけるのが面倒になってしまう。それでも冷蔵庫のなかを補充するため、しかたなく俺は外に出た。寒い。みんな出かけたくないのは一緒なのか…

世界一不幸な子供 ((かつて変名で作家でごはんの鍛錬場に乗せました。在庫リサイクルで掲載します。記2008))

新米の天使は雲の上の聖堂でしずしずと神様の前に歩み出ました。 「神様、私は今日から天使として地上の人々につくすことになりました。とても嬉しく思っています。私にできることは少ないですが、少しでも人々のためになることができればと思います。どうぞ…

 re:悪癖((文章力向上委員会 6月作品 [http://web-box.jp/bki/200406/004.html:title=「悪癖」 梁瀬陽子]))

私にとって、恋とは癖のようなものだった。気がつくと“次の”男が現れ、いつのまにか私たちは恋人になっていた。 いつの間にか知り合って、何気なく電話をして、気がつくと食事をして、とりあえずメールを送って。それから、好きだとささやき合って、キスをし…

 6.りんご

スーパーの片隅で季節外れのりんごが売られていた。ダンボールの箱そのままに陳列された赤い果実。 そういえばあの人はりんごが好きだったな。一週間分の食材をいれた買い物かごを片手に、サキは立ち止まってじっと丸い形を見つめた。好き嫌いがなくて、どん…

5.336

年が明けて、一月。世間はすっかりお正月気分で、気の抜けた浮かれた雰囲気だけがぶらぶらと町中をうろついていた。けれど私はとてもじゃないけどお正月だからといって浮かれているわけにもいかなかった。センター試験まで、あと二週間ばかり。時間の価値は…

 4.それだけは勘弁してください

誰も知らない世界にいけたらいいなと夢想した。夢想しながら歩いている自分はきっと夢遊病患者か精神病患者のようにうつろな目をしているだろう。ショーウィンドーの前を通り過ぎながら、そちらを見まいと目をそむけた。 足音が自分を追ってくる。自分の足音…

 re:反省。((文章力向上委員会 2月作品 [http://web-box.jp/bki/200402/10.html:title=「反省。」 梁瀬陽子]))

ぴったりと閉められたガラス戸を僕は恨めしく見上げた。曇り空の下を吹き抜けていく風に雪の匂いを感じて、僕は枯れた芝生の上を何度も往復する。ガラス戸の内側を人影が通り過ぎる度に何度も声を上げたが、一向に中に入れてもらえる気配はなかった。 それも…

 re:影少女((文章力向上委員会 12月作品 [http://web-box.jp/bki/200312/026.html:title=「影少女」 豹子]))

「あの。私、あなたの影になりたいんです」 夕飯の買い物をしにスーパーに向かっていると、電柱の陰から少女が飛び出してきた。 「は?」 「影になりたいんです」 アイドルになりたいんです、と同じ調子で彼女は言った。切実かつ可愛らしい口調は完璧だった…

re:夏の音((文章力向上委員会 11月作品[http://web-box.jp/bki/200311/021.html:title=「夏の音」梁瀬陽子]))

「あんまり遠くに行くんじゃねーぞー」 神社裏の森に散っていく、幼い従兄弟たちの後姿に声をかけると、俺はジーパンのポケットからタバコを取り出した。木陰にたたずむと、熱気を払う涼風が通っていく。五人の子供たちの世話を押し付けられたとはいえ、初盆…

 re:虫((文章力向上委員会 11月作品 [http://web-box.jp/bki/200311/035.html:title=「虫」 桐野京]))

きっかけは男が持ってきた蝶のペンダントだった。アクリル樹脂に小ぶりの蝶が埋め込まれたそれは、生々しい美しさをたたえていた。手にとると、色鮮やかな羽をはためかせてジャングルを飛ぶ姿が目に浮かぶ。 「きれい」 「そうだろ。向こうで見つけたんだ。…

re:枕 ((文章力向上委員会 10月作品 <a href="http://web-box.jp/bki/200310/005.html">「枕」梁瀬陽子</a>))

愛用の枕が、とうとう破れてしまった。 しかたなく新しい枕を買いに出かけたものの、売り場に並んだ大量の枕を前にして僕の心は暗澹としていた。 あの枕以外で快眠出来た例がないのだ。果たして僕に快眠をもたらしてくれる枕はこの中にあるのだろうか。 「枕…

雪の中

夕方のホームは学校帰りの高校生たちで溢れていた。今年始めの雪が降る中、両足を晒して戯れている女子高生たちを横目に、少しばかり遅れて到着した列車に乗り込む。ベッドタウンに向かう列車の中は疲れた人々で埋まり、生暖かく湿っていた。 こうして列車で…

 3.大丈夫か?

僕たちは同じ日に生を受けて、一番近いお互いのことをずっと見てきた。 二十五年の歳月を、ずっと二人で歩いてきた。いつだって、君が手を伸ばせば僕が握り返した。僕がそっと肩震わせるときは君がやさしく抱きしめてくれた。 今、僕は病院の消毒液の匂いに…

 2.夜明け

午前三時。迷い込んだバーが閉まるのとともに私と智代は街道をさすらう身になった。 夏の夜風がしたたかに酒を浴びた体に心地よい。 何も言わぬままに私たちはいつものように海岸に続く道を歩いていた。 聞きなれた海鳴りが近づく。昨日の夜、章二を飲み込ん…

 1.始まり

高校三年生の冬休みがやってきてしまった。 吐く息が真っ白になる早朝八時。マフラーをしっかりと首に巻きつけて、私は公民館に向かう。徒歩五分にある公民館の図書室は静かに受験勉強に没頭するには絶好の場所だった。 「おはようございます。図書室の整理…

スケッチ

公園の端で、画家は一人絵筆を運んでいる。日曜日の午後、彼はいつもその風景を切り取っていた。 老婆がたどたどしく足を運びながらキャンバスをのぞき込んだ。 「すてきな絵だねえ。学生さんかい? まあまあ、今日は暖かいけれどそんな薄着じゃ風邪をひくよ…

誘う言葉

放課後の空気はあったかくて素敵だ。紺色の冬服は陽の光に温もり、西日の茜色に染まった床や壁からは柔らかな光が反射している。 清書の割った書類を手に、帰り支度を済ませてオレンジ色の席を後にした。 窓の外には水平線にかかる夕日。山の上の、さらに上…

届くなら

指先から水平に放たれた小石は川の水面に二つの跡を残してぽちゃりと消えた。 「やっぱり二つ止まりだ」 ちっとも悔しくないように彼は呟いた。 夕暮れの空気を切り裂くように高架線を電車が走り抜けていった。オレンジ色の光の中で、彼の広い背中を覆う黒い…