うみのなみだ

日常+小説ブログです。

ツイッター小説 山手線連作 総集編

山手線

  • 品川 大崎 五反田 目黒 恵比寿 渋谷 原宿 代々木 新宿 新大久保 高田馬場 目白 池袋 大塚 巣鴨 駒込 田端 西日暮里 日暮里 鶯谷 上野 御徒町 秋葉原 神田 東京 有楽町 新橋 浜松町 田町
  • #twnovel さよならを言いに行ったのにな。と反省しながら品川駅の改札を出た。通勤に似合わないボストンバックを、コインロッカーに入れるか迷う。いいや、何か言われても。週末の予定をでっちあげることなんかもう慣れっこだ。あくびをかみ殺す。また一週間、伸びきるまで引き延ばす日々か。 posted on Sep 24th, 2009
  • #twnovel 「お疲れ様です」エントランスを出る一人一人に声をかける。大崎駅に向けて、人々の足は早く、帰ってくる声は少ない。ときどき背後のビルを仰ぎ見て、消えていく窓の形を確認する。今日は残業が多いな。そこはかつて自分がいた世界。かつて声もなく駅を目指した姿を、少し懐かしむ。 posted on Nov 8th, 2009
  • #twnovel 地獄に堕ちる、と思った。このままだと確実に。なのに視界に入るだけで心が支配される。「お疲れさまぁ」甘ったるい声、匂い、笑顔。全身が軽い緊張に晒されながら、心地よさを感じる。これが恋だろう? そして愛になるんだろう? そう、会計を済ます瞬間までが、五反田の天国。 posted on Oct 2nd, 2009
  • #twnovel つけられている。目黒駅から徒歩十五分の自宅まで、あと数十メートル。一番最後の角を曲がって、確信した。暗い路地に人気はない。けれど、足音は近づいてくる。逃げたい。でも家に駆け込んでしまうのも不安だ。逡巡するうちに、足音が近づく。びくりと振り返ると、酔った父がいた。 posted on Oct 22nd, 2009
  • #twnovel で恋なんて語れるわけないでしょ。彼女は笑う。恵比寿で評判のレストランは静かに、僕らの特別な夜を演出してくれる。たった140文字の恋物語についてどう思う? 僕の問いかけを微笑んで否定した君は、たった一言で僕を恋に突き落としたのに。そのことを君は、今も知らずにいる。 posted on Oct 28th, 2009
  • #twnovel あの人の一番になりたい、と願いながら雑踏を眺める。渋谷午後六時。信号が青に変わる度に、夥しい数の人間が目の前を通りすぎていく。その中で、たった一人だけを待ち続けている不思議。嘘で良いと、知ってる。他の誰かで良いと、知っている。なのに動き出せずにまだ、願っている。 posted on Oct 19th, 2009
  • #twnovel 8年ぶりに、着信履歴に、君の名前。突然どうしたんだろう。驚きと、不安。午前二時の原宿駅。どこにも行くあてはないのに、歩き続けている。夜明けまでまだもう少し。先を行く友達から離れて、メールアドレスを確認した。届くだろうか?僕はまだこの街にいて、君はもういない。 posted on Jun 7th, 2010
  • #twnovel ホームの向かい側から彼女の家に向かう電車が発車する。代々木駅の朝は殺伐と、整然と人の群れが続く。群れの一員となって行儀良くホームを歩く。目的に向かって真っ直ぐに。アナウンスが黄色い電車の到着を告げる。僕は階段を上るだけ。たとえ飛び乗ったってどこにも辿りつけない。 posted on Sep 27th, 2009
  • #twnovel 寂しいの。呟いただけなのに世界が終わったような顔してる。いま手を握ってくれたら最高なのに、絶対にそんなことしてくれない。だから好き、だから嫌い。ネオンが明るくて馬鹿みたいに立ちつくしてる新宿東口の夜。「終電だから、じゃあ。おやすみ」また夜が越せないみたい。ばか。 posted on Sep 24th, 2009
  • #twnovel 最後のデートは新大久保にしよう、と彼女は言った。美味しい韓国料理をお腹いっぱい食べて、笑顔で終わりにしようと。その馬鹿馬鹿しさを、僕は肯定した。全弾打ち尽くした僕らには、それ位の美しさが必要かもしれない。「キムチ残すなよ」「やーよ」手を繋がずに二人ホームを歩く。 posted on Jul 6th, 2010
  • #twnovel 知らないことは判断できない。午前3時、高田馬場駅を目指してとぼとぼと歩いている。始発まで研究室に寄って、時間をつぶそうか。考えながらも、足は動き続ける。夜の深い町は静かで、昼間とはまるで違う。瞬間的に浮き彫りになった僕らの距離。頷いてるだけじゃ、埋まらない距離。 posted on Sep 28th, 2009
  • #twnovel お姫様になりたかったの。でも、なれないことを知ってしまった。せめてもと、目白の大学を目指したわ。安易?それでもいいの。夢を諦めるより、馬鹿にされる方が良いもの。もちろん、本物のお嬢様たちは、全然お姫様じゃなかった。それでも自分が目指す理想を変えたり、しないのよ。 posted on Nov 22nd, 2009
  • #twnovel 待ち合わせ時間を十五分過ぎて、溜息をひとつ。電波の届かないところへは、私の気持ちも届きはしない。池袋東口18時。やみそうな雨が、いつまでも降り止まない。「居酒屋いかがですかー」「いいです」視線だけで、焼き殺せたらいいのに。こんな気持ち抱えて、どうしたいんだろう。 posted on May 30th, 2010
  • #twnovel 自分の名前の駅があるのは知っていた。大塚。金曜日の夜、ふいに一駅乗り過ごしてそのホームに立ってみたくなった。終電は大丈夫。ドアが閉まるのを見送って、携帯を取りだす。もうすぐ変わっちゃうから、記念に行ってみるよ。メールで何から伝えたらいいかの解らなくて、少し悩む。 posted on Sep 26th, 2009
  • #twnovel 静恵の希望で巣鴨に出かけた。「じじいとばばあしかいないな」「だからいいんでしょ」そういって静恵は私の手を取る。何年ぶりだろう。乾燥した硬い皮膚の感触。むずむずして、離してしまいたくなる。「今日くらい良いでしょ」先読みされている。いつも、ずっとそうだったけれど。 posted on Oct 1st, 2009
  • #twnovel 君を幸せにすることが僕の幸せ。そう思ってきた。新居を駒込にしたのだって、君の利便を優先したんじゃないか。なのに。早足のまま、彼女の言葉を思い返す。「あなたといるとダメになってく」ずしんと重い。でも、そうなのかもしれない。君と歩いた町並みを、僕は一人で進み続ける。 posted on Oct 31st, 2009
  • #twnovel 田端に配属が決まって、がっかりしなかったといえばウソになる。まだ上京して半年、憬れだけで毎日を回していた。それからもう三年。仕事を終えて、ホームに立つ間の僅かな休息。目の前を、故郷からの新幹線が横切っていく。その瞬間に沸き上がるもの。それが今、毎日を回している。 posted on Mar 17th, 2010
  • #twnovel 結局、僕らは共同経営者以上には、なれなかった。「じゃあ、ここで良いから」スーツケースを取って、彼女は言った。「空港まで行くよ」首を振って、溜息。西日暮里から成田までも、一緒にいられないという風に。その正さも、好きだったのにな。新しいパスポートで、彼女は飛び立つ。 posted on Feb 27th, 2010
  • #twnovel 僕が君の何かになれるかなんて、わからないよ。溜息をついて日暮里駅で常磐線に乗り換える。長い長い帰宅の一本線。疲れた空気が満ちた薄暗い車内。並んで吊革につかまったまま、君を振り返る。笑顔、仕草、言葉。窓に映る疲れた顔。車両が揺れて、予定のない週末が長く長く始まる。 posted on Oct 11th, 2009
  • #twnovel 「都会っ子だ」「まあ。でもそんなことないよ」合コンのテンションが解らない。ここは遠慮せずに強気に行くべき? ついグラスに手を伸ばす。「最寄り駅は?」「日比谷線の入谷だけど」わかんないよね「少し歩くと山手線の鶯谷」でもだめか?「えーすごい」何が? とりあえず笑顔。 posted on Oct 5th, 2009
  • #twnovel 遠くに行きたい。そういった君を僕は連れ出した。上野駅午後八時十二分「とりあえず、青森あたりで良い?」券売機の前で振り返ると、君はふるえながら涙を流す。「そういうことじゃないの」「じゃあ北海道? 大丈夫だよ、三連休だし」「違うの」僕は君が好き、ただそれだけなのに。 posted on Sep 29th, 2009
  • #twnovel 携帯電話が、震えた。”御徒町の駅まで来たよ”たった一言のメールをじっと見つめる。溜息。”すぐ行くから、改札前で待ってて”最後の資料を片付ける。「お先に失礼します」まばらな返事を受けて、僕は歩き出す。”やっぱりだめだよ”たった一言が送れずに、また君に会ってしまう。 posted on Nov 11th, 2009
  • #twnovel 秋葉原駅のホームに降りるだけで鼓動が高鳴った。とうとう来たんだ。画面で見たとおりの街並み。隠れるように手にしていた物たちが堂々と並ぶ店舗。音として飛び交う馴染みある言葉。恥ずかしさと感動が混じり合った緊張が駆け抜ける。ああこれで、一人きりでも、もう孤独ではない。 posted on Sep 27th, 2009
  • #twnovel これって愛の力かな。先を行く彼女の足取りは軽く、僕の両手はずっしりと重い。「あ、これずっと探してたの!」彼女は一冊の古本を指す。「良かったね」努めて明るく、微笑む。「やったぁ」レジへ向かう彼女の後ろで、僕は紙袋を降ろし、手を休めた。神田古書店街は、まだまだ続く。 posted on Feb 26th, 2010
  • 「なら、また」こっそりと、変わらないでいて欲しいと願ってしまう。笑顔で手を振る、彼女と僕の距離。時間どおりにドアが閉まり、ホームから僕は遠ざかっていく。時速200キロで。なあ、なんで東京なん、言いそうになって、止めた。好きなのに。変わらずにいられる自信もなくて。 #twnovel posted on Jun 4th, 2010
  • #twnovel 最終電車も行ってしまった。改札へ向かうまばらな人の流れに、取り残されたように立っている。携帯に触れて、ディスプレイに時計が浮かぶのを見つめる。溜息。「なんだよ」長い吐息。誰もいないホームを見渡す。もし、有楽町からタクシーで会いに行ったら、君は、何を言うのだろう。 posted on Dec 26th, 2009
  • #twnovel 気がついたら新橋まで来ていた。また同じパターンだ。「どうしようか?」空腹だし、もう十分に歩いてる。そろそろ入店しないと、まずい。のに、ますます入れそうな店がない。ダメだ。「ね、ここにしようか」彼女が居酒屋を指して笑った。不意に手綱をとられて、だけど僕は微笑んだ。 posted on Oct 16th, 2009
  • #twnovel モノレールが滑るように視界を横切る。せっかく浜松町まで出かけてきたのに、感動は薄い。いや、まだ見上げる角度に慣れていないだけかもしれない。ファインダーをのぞく。ほら、意外とぐっとくる。シャッターを切る。結論なんて後付けでいいのに、昨日の余裕のなさはなんだった? posted on Oct 12th, 2009
  • #twnovel 「縞ウサギさんですか」「あはい。里奈さん?」おどおどと私たちは出会った。写真とはまた違う、存在のギャップが甚だしい。本名を教えておいてよかったと思う。「田町って凄い都会なんだね」「いや、そんなことないです」いつもの調子が出ずに、焦る。まじで泊めてもらっていいの? posted on Sep 28th, 2009